横浜開港資料館

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What's New「ミニ展示コーナー」

2012年度「特別資料コーナー」

撮影された鎌倉と金沢―横浜開港資料館所蔵資料から

会期:2013年2月28日(木)〜2013年3月31日(日)
場所:横浜開港資料館旧館記念ホール(入場無料)

横浜市では「武家の古都・鎌倉」世界遺産登録を神奈川県・鎌倉市・逗子市と共同で推進しています。横浜市内の候補遺産は、金沢区の称名寺と朝夷奈切通ですが、ここでは、横浜開港資料館が所蔵する明治末年〜昭和初年に撮影された絵はがきや古写真の複製を展示し、世界遺産登録候補地のかつての姿を紹介します。

記念ホール展示風景
記念ホール展示風景
 
称名寺〔絵はがき〕
称名寺〔絵はがき〕
朝夷奈切通〔彩色写真〕
朝夷奈切通〔彩色写真〕

幻の薩英戦争を伝えた記録

2013年1月30日(水)〜2013年3月31日(日)
展示場所:新館2階特別資料コーナー

ペリーが日本に来航する6年前の弘化4(1847)年2月、鹿児島湾においてイギリス軍艦と薩摩藩とのあいだで激しい戦闘があったことを記録した古文書があります。戦死者は薩摩側14名、イギリス側674人。イギリス兵の捕虜から彼らが通商を求めて来航したことが判明したことなど、その内容は詳細です。しかしそのような事実はどの歴史年表をみても載っていません。もともと存在しない戦争でしたから…。

しかし、この「幻の薩英戦争」の流言は江戸にまでひろまりました。中国大陸で「アヘン戦争」をおこした大国イギリスへの警戒心がもとになったといえます。今回の特別資料コーナーでは、愛知県に残っていたこの「幻の薩英戦争」の古文書を紹介し、開国直前の世界情勢と流言を生み出した幕末の時代に思いをはせる企画です。

詳細は「開港のひろば」119号
 →http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/119/05.html

「幻の薩英戦争」を伝えた古文書
野々山輝覚氏寄贈
「幻の薩英戦争」を伝えた古文書 野々山輝覚氏寄贈
アヘン戦争を実録小説風に記した『海外新話』(嶺田楓江著)
嘉永2年12月刊 当館蔵
アヘン戦争を実録小説風に記した『海外新話』(嶺田楓江著) 嘉永2年12月刊 当館蔵

天心岡倉覚三 生誕150年・没後100年

会期:2013年1月4日(金)〜1月27日(日)
休館日 :毎週月曜日、ただし14日(祝)は除く。15日(火)
展示場所:横浜開港資料館新館2階特別資料コーナー

150年前の文久2年12月26日(1863年2月14日)、天心岡倉覚三は、横浜に生まれ、100年前の大正2(1913)年9月2日、新潟・赤倉に没しています。

東京美術学校の校長として、日本美術院の主催者として、日本美術を振興し、横山大観・菱田春草・下村観山らの日本画家の俊英を育てました。ボストン美術館で東洋美術の収集にあたり、世界屈指のコレクションを築いています。また、自らも英文で“ The Ideals of the East ”(東洋の理想・1903年)などを出版し、独自の文明論を展開しました。

天心のたぐいまれなる感性をつちかったのは、日本と海外の文化の交差点としての横浜でした。今回の特別資料コーナーは当館が所蔵する岡倉天心関係資料を紹介し、稀代の教養人の生涯をしのびます。

中国で道教の衣服をまとった岡倉天心 1906年10月25日
(日本美術院編『天心全集』1922年刊 ブラウン文庫・当館蔵)
中国で道教の衣服をまとった岡倉天心  1906年10月25日(日本美術院編『天心全集』1922年刊 ブラウン文庫・当館蔵)
人別帳 本町五丁目  慶応2(1866)年3月 小野忠秋家文書・当館蔵
岡倉全右衛門(勘右衛門)の子として、「生国御当所」と記載された、覚三5才の時の記録。
人別帳 本町五丁目  慶応2(1866)年3月  小野忠秋家文書・当館蔵 岡倉全右衛門(勘右衛門)の子として、「生国御当所」と記載された、覚三5才の時の記録。
Essay on Japanese Art〔日本絵画図説〕 (ブリンクリー編『JAPAN』1897年刊・当館蔵)
限定25部のブリンクリー編『JAPAN』(全10冊)に、岡倉が執筆した日本画のエッセイ。
Essay on Japanese Art〔日本絵画図説〕 (ブリンクリー編『JAPAN』1897年刊・当館蔵)限定25部のブリンクリー編『JAPAN』(全10冊)に、岡倉が執筆した日本画のエッセイ。

X'mas Dinner 明治大正の洋食メニュー

展示期間:2012年12月1日(土)〜27日(木)
休館日 :毎週月曜日、ただし24日(祝)は除く。25日(火)
展示場所:横浜開港資料館新館2階特別資料コーナー

12月はクリスマスの季節。12月1日から横浜開港資料館の特別資料コーナーでは、クリスマス・ディナーをはじめとする明治大正の洋食メニューを公開中。なかでも関東大震災が起こった大正12年12月25日のクリスマス・ディナーや結婚披露宴など、東京ステーションホテルのメニューに注目。当時のコース料理は「免論ん」「鼈清羹」で始まるのが定番だったよう。これは何のお料理でしょう。答えは展示室で!

東京ステーションホテル・結婚披露宴メニュー 大正13(1924)年12月7日
長澤信雄メニューコレクション・当館蔵
東京ステーションホテル・結婚披露宴メニュー 大正13(1924)年12月7日 長澤信雄メニューコレクション・当館蔵

新収資料 都筑郡鉄村・村田家の資料

展示期間:2012年10月2日(火)〜11月30日(金)
展示場所:横浜開港資料館常設展示室2/特別資料コーナー

現在の横浜市北部は、江戸時代には都筑郡(つづきぐん)と呼ばれ、約70の村々がありました。そのうちの一つ、鉄村(くろがねむら 後に中鉄村 現在、青葉区)の村役人をつとめた村田家の古文書約2000点が寄託されました。村田家は、16世紀末から続く横浜きっての旧家で、大正時代にはここで佐藤春夫が『田園の憂鬱』を執筆したことでも知られています。古文書の中には、北条氏康の感状のほか、検地帳・年貢割付・人別帳・御用留などの基本資料が含まれていて、江戸時代の村の様子を伝える貴重な資料となっています。

主な展示資料

  • 『傘連判状(からかされんぱんじょう) 文化14(1817)年2月
  • 武州都筑郡小机領中鉄村田畑検地帳  宝永2(1705)年4月
  • 切支丹宗門改人別帳(きりしたんしゅうもんにんべつあらためちょう) 宝暦6(1756)年3月
  • 武蔵国都筑郡中鉄村明細帳 明治元(1868)年ヵ
傘連判状
傘連判状

綴られた関東大震災−1923年9月1日から89年を経て−

展示期間:2012年9月1日(木)〜9月30日(金)
展示場所:横浜開港資料館新館2階特別資料コーナー

大正12(1923)年9月1日午前11時58分、神奈川県相模湾沖80kmを震源として発生したマグニチュード7.9の地震が発生しました。被害は、神奈川県を中心に千葉県・茨城県から静岡県東部の広範囲に及び、死者・行方不明者数10万5000人を数える日本災害史上最大級の地震被害となりました。関東大震災とよばれるこの地震被害については、多くの人々が当時の様子を書き残し、様々な記録が残されています。このコーナーでは、昨年に引き続き、当館が所蔵する関東大震災の記録のいくつかを紹介します。

主たる展示資料

  1. 『記念画帖 震災スケッチ』第2輯 小島沖舟画 大正12(1923)年刊 石橋和家子氏寄贈 当館蔵
  2. “Earthquake pictorial of Japan, 1st September 1923  震災紀念画帖” Capt. T. Kawakami[著] Y.M.C.A. Seamen’s club刊 [大正12(1923)年]当館蔵
  3. 『大正十二年九月一日大震災記念写真帖』 桝井照蔵編 大正14(1925)年 神奈川県震災写真帖頒布事務局刊 当館蔵 ほか
図1 横浜居留地全景
『記念画帖 震災スケッチ』より(左)
図1 横浜居留地全景 『記念画帖 震災スケッチ』より(左)
図2 グランドホテルの跡
『記念画帖 震災スケッチ』より(右)
図2 グランドホテルの跡 『記念画帖 震災スケッチ』より(右)

100年前の夏休み−大正時代の子どもたち−

展示期間:2012年8月1日(水)〜8月31日(金)
展示場所:横浜開港資料館常設展示室2/特別資料コーナー

100年前、横浜の子どもたちの夏の楽しみといえば、海水浴と7月4日の米国独立記念日に打ち上げられる花火でした。8月の夏休みには、現在と同じように宿題も出ていました。市内の横浜小学校では「夏季休業復習帳」が配られ、「自由研究」も行なわれました。ここでは、輸出絹物売込商の浪江清三郎が撮影したアルバムに収められた写真や、雑誌などの資料を通して、海水浴で体を鍛え、復習帳で学習し、自由研究に取り組むという、健康的な夏休みを過ごしていた、大正時代の子どもたちの姿を紹介します。

主な展示資料

  • 輸出絹物売込商・浪江清三郎のアルバムから−水着姿の子どもたち/本牧花屋敷海水浴場/自転車に乗って 大正10(1921)年3月〜大正12(1923)年7月 (浪江康夫氏所蔵)
  • 自由研究創作品展覧会
    『学之友』68号 大正7(1918)年12月 横浜小学校児童保護者会(横浜市史資料室所蔵)
  • 木村小舟著「夏のお仕事」
    『幼年世界』2巻9号 明治45(1912)年7月 博文館(当館所蔵)
  • 夏季学習帳
    昭和11(1936)年 神奈川県教育会(当館所蔵)
水着姿の子どもたち(浪江康夫氏所蔵)
水着姿の子どもたち(浪江康夫氏所蔵)
本牧花屋敷海水浴場 (浪江康夫氏所蔵)
本牧花屋敷海水浴場 (浪江康夫氏所蔵)

展示「大正・昭和期の横浜と西洋舞踊」

会場:横浜開港資料館旧館/記念室および記念ホール[入場無料]
会期:2012年7月1日(日)〜2012年7月29日(日)

横浜市の文化イベント「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」。
その参加プログラム展示「大正・昭和期の横浜と西洋舞踊」を実施いたします。
大正期、横浜で公演した世界的バレリーナ、アンナ・パブロワ。
横浜でダンスを、鎌倉でバレエを教授して、“日本バレエの母”と称されるエリアナ・パヴロバ。
モダンダンスの先駆者で、世界的に認められた石井漠と、その弟子崔承喜。
その他、横浜の舞台に華麗なステップを刻んだ人々をつうじて、日本における西洋舞踊の普及を紹介いたします。

展示「大正・昭和期の横浜と西洋舞踊」
展示「大正・昭和期の横浜と西洋舞踊」

日本アジア協会創立140周年 日本研究のメッカ、横浜

会期:6月2日(土)〜7月31日(火)
場所:当館常設展示室2/特別資料コーナー

1872(明治5)年、横浜でイギリスやアメリカの外交官、宣教師、商人たちが中心となり、日本研究発表の場である日本アジア協会を創立しました。第1回の報告者はイギリスの外交官アーネスト・サトウでした。かれらは日本と日本人をふかく理解しようと、歴史・民俗・文学・言語・地理・植物などあらゆることがらについて研究を重ね、多数の研究者を輩出しました。現在も活動はつづいており、今年、日本国籍を取得したドナルド・キーン氏も主要メンバーのひとりです。
おもなメンバーとその代表的な著作を、当館蔵ブルーム・コレクション(旧蔵者の故ポール・ブルーム氏もメンバー)から紹介します。

第1回例会でサトウがおこなった報告「琉球についての覚書」
'Notes on Loochoo,' “Transactions of the Asiatic Society of Japan”, Series 1, Vol.1(1874年)
第1回例会でサトウがおこなった報告「琉球についての覚書」'Notes on Loochoo,' “Transactions of the Asiatic Society of Japan”, Series 1, Vol.1(1874年)

カレー伝来から140年、明治5年のレシピを読む

会期:4月21日(土)〜5月31日(木)
場所:当館常設展示室2/特別資料コーナー

明治5(1872)年、2冊の翻訳料理本が刊行されました。仮名垣魯文(かながき ろぶん)が著した『西洋料理通』(せいようりょうりつう)と、敬学堂主人(けいがくどうしゅじん)による『西洋料理指南』(せいようりょうりしなん)です。なかでも『西洋料理通』は、横浜の居留地に住む英国人が、料理をする際の参考のため使用人に与えた「手澤帖」(てびかえ)2冊を、仮名垣魯文が入手し、翻訳、刊行したもので、明治初頭の横浜に住む外国人の食生活をうかがい知ることのできる貴重な資料です。この2冊の翻訳料理本には、カレーの作り方が紹介されており、これらの本により、日本に初めてカレーの作り方が伝えられました。今年はこれら2冊の本が刊行されてから140年目にあたります。

本展示では、国民食となったカレーのルーツ、明治5年の翻訳料理本2冊に記されたカレーのレシピを読み解きます。

『.西洋料理通』仮名垣魯文著 河鍋暁齋画
明治5(1872)年 万笈閣刊 上・下館(23・31丁) 当館所蔵
『.西洋料理通』仮名垣魯文著 河鍋暁齋画 明治5(1872)年 万笈閣刊 上・下館(23・31丁) 当館所蔵
  • 4月21日〜5月31日 このレシピをもとに再現されたカレーをローズホテル横浜で味わうことができます。
    *開港資料館のチケット半券を提示するとこのカレーが10%オフになります。

エライザ・シドモアと横浜の桜の名所

会期:2012年4月20日(金)まで
場所:当館常設展示室2/特別資料コーナー

アメリカ人エライザ・シドモア(1856-1928)は、横浜領事館に勤務する兄をたよって1884年初来日し、幾度かの滞日体験をへて1890年、日本紀行『Jinrikisha days in Japan』を著しました。同書は、その後4回印刷・改定され、日本人の文化と心情を欧米に知らせました。

また、女史は1909年、首府ワシントンのポトマック河畔に、日本の桜の移植を、当時の大統領夫人にすすめたことでも知られています。桜の植樹が実現して今年で100周年になります。

今回の特別資料コーナーは、取材のために横浜に長期滞在したシドモア女史も楽しんだであろう、桜の名所をふりかえります。

伊勢山皇太神宮の大鳥居と桜 (明治中期)
伊勢山皇太神宮の大鳥居と桜 (明治中期)
エライザ・シドモア 恩地薫氏提供
エライザ・シドモア 恩地薫氏提供

また、ワシントンへの桜移植100周年を記念して以下のイベントが催されています。

  • 日米桜交流100周年記念シンポジウム「ワシントンに花咲くシドモアのこころ」
    4月7日(土) 場所:横浜開港記念会館
  • ナショナル ジオグラフィック チャンネル
    日米桜寄贈100周年『エリザ・シドモア』写真展
    4月8日(日)まで  場所:横浜ランドマークプラザ 1F

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