さらに初版の「亀の橋平沼間の馬車」賃金、「鉄の橋横須賀間汽船賃金」等汽船賃金の案内、「横浜神奈川間電気鉄道」賃金、「横浜市内市外電話料」の各項目が、再版では削除されている。これには、横浜電気鉄道の市内敷設が進んだことが関係していると思われる。横浜電気鉄道は、前述のように1904年に神奈川―大江橋間を開通させ、その後、再版の刊行される1907年3月までに、大江橋―西の橋間、尾上町5丁目―花園橋間と馬車道―住吉町1丁目間を開通させた。横浜電気鉄道の関内地域への路線延長により、市内の主要交通手段が馬車から電車へ移行し、また東京から横浜への交通手段も、汽車または電車(京浜電気鉄道)を利用し、横浜電気鉄道に乗り換える方法が一般的となったため、利用者の減少した馬車や汽船についての利用案内は、再版時に削除されたものと考えられる。
なお再版にも初版同様「横浜明細新図」が収録されている。この付図には、再版時に敷設されていた横浜電気鉄道の路線が、全て追加されている。 |