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館報「開港のひろば」バックナンバー


チャレンジャー号の航海記

(8)Lord G. Campbell, Log-letters from "the Challenger." 1877.
[P. III. 16]

(9)W.J.J. Spry, The cruise of Her Majesty's Ship "Challenger." 1877.
[X. I. 17]

(10)H.N. Moseley, Notes by a naturalist on the "Challenger." 1879.
[P. IV. 21]

 チャレンジャー[六世]号は、1872〜76年に初めて世界周航の海洋調査をおこなったイギリス軍艦であり、世界各地で深海調査を実施し、近代海洋科学の基礎をきずいたことで知られる。エジンバラ大学の博物学者、C. W. トムソンを隊長とする科学者らが乗り組んでおこなったもので、約4年間の航海で調査収集した膨大な資料は、80〜95年に50巻にのぼる報告書として刊行され、ながく海洋研究の基本文献とされた。

 同号は、横浜に1875年4〜6月に入港、停泊した。現在、イギリス海軍水路部には、横浜からトムソンらが発信した報告書や標本送付状、写真などがのこされており、今回の展示でそのいくつかを紹介している。

 (8)と(9)は、帰国翌年の1877年に刊行された海軍士官、キャンブルとスプライの航海記である。(8)には世界各地でおこなった深海測深・採泥結果を記した地図が付されている。(9)は調査先の世界各地のようすとともに、船内に設けられた化学実験室や博物学者の研究室、水深測量機器、測量活動のようすなどもさし絵を添えて紹介している。

 (10)は1879年に刊行された乗組員科学者のひとり、生物学者のモズリーの記録である。序文によると家族向けに書いた航海記だとあり、各地で目にした専門の動植物の種類や生態のほか、高床式住居、偶像崇拝、化石調査、風俗習慣など、読者が興味をいだきそうなめずらしい事物をさし絵入りで紹介している。

 これらの出版は、のちに発表された専門的な報告書とは別に、この探査航海を広く社会に知らせるのに役立ったものと思われる。

(中武香奈美)

「開港のひろば」第77号
2002(平成14)年7月31日発行

企画展ハイライト
ブロートンの航海記
クルーゼンシュテルンの世界周航記
ライラ号の『朝鮮・琉球航海記』
ブロッサム号の航海記
ベルチャーの航海記
マリナー号の航海記
チャレンジャー号の航海記
展示余話1
ランバート氏のスポーツ写真
展示余話2
ペリーの顔いろいろ
資料よもやま話
地方民権青年の教育履歴
−佐久間権蔵の東京遊学とその蔵書−
閲覧室から
新聞万華鏡(9)
資料館だより




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最終更新日2006年8月20日  Last updated on Aug 20, 2006.
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