ブロッサム号の航海記
(5) F.W. Beechey, Narrative of a voyage to the Pacific and Beering's Strait. 1831. [M. IV. 11-12]
イギリス海軍士官、ビーチーはブロッサム号Blossomに乗船して北西航路発見のため1825〜28年、太平洋の測量航海をおこなった。ビーチーはそれまでに北極探検やアフリカ北岸調査に参加した経歴をもつ優秀な測量士官であった。
1827年、ビーチーは那覇に来航し、自然・習俗・歴史などを調査した。また当時、無人島であった小笠原諸島父島にも入港し、イギリス領であると宣言した。その後、小笠原諸島には数名のアメリカ人が移住し開拓をはじめたが、53年、日本遠征途上のペリーが父島二見港に立ち寄り、貯炭所用地を買収したことから、英米間の問題となった。帰属問題は、76年、明治政府が正式に諸外国に日本の領土であることを宣言し、決着をみた。
航海記(5)には、アメリカ北西海岸の測量図などとともに、琉球の風景画や各種の調査データなどが掲載されている。
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