企画展ハイライト
測量船の艦長や乗組員の中には、帰港後、その航海記を出版した人びとがいる。 横浜および日本について書かれた欧文稀覯書を多数揃える当館のブルーム・コレクションには、 つぎのような航海記が入っており、今回の展示で紹介中である。
なお、書名の後ろに付した[ ]内の番号は、同コレクションの請求番号である。
当館蔵のさまざまな航海記

ブロートンの航海記
(1) W.R. Broughton, Voyage de découvertes dans la
partie septentrionale de l'Océan Pacifique. 1807.[M. IV. 9-10]
1791〜94年にアメリカ西北岸探検航海に参加した経歴をもつイギリスの探検航海家、ブロートンは、95年、プロヴィデンス号Providenceでサハリンから揚子江までの、北太平洋で唯一のこされた空白地域の測量を開始した。
1796年、室蘭に来航し、日本側の抵抗をおさえて同地海岸で測量やクロノメータによる観測をおこない、その後、日本の太平洋沿岸を測量しながら南下し、マカオに達した。98年にイギリスに帰国。
ブロートンの航海は全世界の注目するところとなり、その航海記の刊行が世界的にまたれた。1804年、ロンドンで英語の原本が出版されると、フランス語版(1)、ドイツ語版の翻訳があいついだ。
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