石井満(1891〜1977)
戦前、鉄道院事務官、東京市電総務課勤務を経て、東京日日新聞嘱託、国民新聞理事などを歴任。
昭和21年、日本出版協会会長に就任した。同協会は出版用紙割当に大きな権限をもった。GHQ側の担当がブラウンであった。本誌表紙に掲載した23年秋に明治大学でおこなわれた同協会創立三周年大会の写真には、講演するブラウンの後方にみえる式次第に、ブラウンと並んで会長石井の名前が確認できる。
ブラウン文庫には多数の石井からの献呈本がある。たとえば昭和40年刊行の石井著『大統領リンカン』[ブラウン文庫 2185]には、石井、夫人の道子と、妹で翻訳家、鈴木哲子の名前が記されている。二人は公私にわたって親しい間柄であった。
石井らのブラウン宛て献辞

なお「ドン・ブラウン・コレクション」中の約800タイトルの新聞・雑誌は『横浜開港資料館所蔵新聞・雑誌目録』に収録され、すでに公開されている。文書は、現在整理中であり、整理が済み次第、一般公開の予定である。
またブラウンの委託研究が終了した時点で、出版や文書を中心とした更なる展示など、何らかの形で最終の研究成果を公開することを横浜国際関係史研究会と検討している。
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