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館報「開港のひろば」バックナンバー


新政府軍の公印

 最後に鶴見区の横溝家に残された新政府の公印を取り上げたい。横溝家については既にトップページで紹介したが、この家にも多くの古記録が残っている。展示では、この内、約20点を出品したが、なかでも新政府の公印は珍しい資料のひとつである。

 この資料は、「官軍引合、御印鑑」と記された小箱に入っており、資料は、公印を捺した紙と公印の使用に関する説明文である(下の写真)。

 説明文によれば、慶応4年(1868)に、新政府軍が市域に進駐した頃から、市域の各地で新政府軍の名を騙る「賊徒」が横行したようである。

 こうした事態に対し、新政府軍は、自らを証明するための公印を作成し、公務で新政府の人々が出張する際には公印を捺した紙を持参させた。また、各村にも同様の紙を配布し、二枚の紙を引き合わせることにより、「偽官軍」を見破ることにした。

 当時、横溝家は、獅子ヶ谷村の村役人をつとめており、こうした公印についての書類が同家に残されることになった。戊辰戦争時、戦場になった地域にくらべれば市域は平穏であったが、それでも、さまざまな事件が発生し、治安が悪化したことをうかがわせる資料である。

 ここでは、わずか4点の資料しか紹介できなかったが、今回の展示に出品した資料は、展示終了後は当館の閲覧室で閲覧することができる。展示をきっかけとして、旧家に残された古記録を読み解く楽しさを知っていただければと思っている。

(西川武臣)

「開港のひろば」第78号
2002(平成14)年10月30日発行

企画展
横溝屋敷文化財指定15周年記念「旧家の蔵から−開港場周辺農村の幕末・明治−」
旧家の蔵から−開港場周辺農村の幕末・明治−」展から
旧家に残された地図
台場が建設される中で
洋式便器の設計図面
展示記念講座
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最終更新日2006年8月20日  Last updated on Aug 20, 2006.
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