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館報「開港のひろば」バックナンバー


新聞万華鏡(10)

新聞の郵送について

『郵便報知新聞』第17号(明治5年9月)
左上に駅逓寮の検印が見られる。


 新聞や雑誌をよく見ると表紙や裏表紙に、「第三種郵便物認可」と印刷されているものがあります。第三種郵便物は、国内通常郵便物の一つで、毎月1回以上定期的に発行される新聞・雑誌のうち、発行所の所在地の配達を受け持つ郵便局長に申請し許可を得て開封で送られる郵便物です。通常の郵便物より低価格で扱われます。

 認可の日付は、歴史の長い刊行物になると明治時代になっているものもあります。ちなみに『横浜貿易新聞』の流れをくむ『神奈川新聞』の表紙欄外には、「明治34年2月18日第三種郵便物認可」と記載してあります。

 この制度は、明治4年12月、郵便規則により発行人から駅逓寮へ届け出のあった新聞紙を決まった額で郵送することにより始まりました。当時、新聞紙その他の定期刊行物の売れ高が少なく、配達夫を雇用することが出来ない発行人のために、その出費を薄くし軽税郵便によって送ることが出来るようにしたものです。

「開港のひろば」第78号
2002(平成14)年10月30日発行

企画展
横溝屋敷文化財指定15周年記念「旧家の蔵から−開港場周辺農村の幕末・明治−」
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 当初、太政官そのほかの日誌並びに新聞紙は、重さによらず1個につき差し出す場所から50里以内は半銭、100里以内は1銭、200里以内は1銭半、200里以外は2銭となっていました。この制度は、明治16年1月に施行された郵便条例に引き継がれます。それによれば、郵便物は4種に分けられ、毎月1回以上発行する定時印刷物及びその附録が第三種郵便物でした。

 第三種郵便物はその発行人が定時印刷物であることについて駅逓総官の認可を受け、「駅逓局認可」の文字を印刷することになっていました。郵送の際は開封で、郵便物に巻く郵便帯紙は駅逓局で販売していました。この時の料金は、1号または1個につき重さ16匁ごとに1銭、2号または2個以上1束につき重さ16匁ごとに2銭でした。

 『駅逓明鑑』によれば、明治5年2月から10月にかけて認可を受けたのは、横浜で発行された新聞では『横浜毎日新聞』、『ジャパン・ウィークリー・メール』、東京で発行された新聞は『東京日日新聞』、『郵便報知新聞』、『日新真事誌』等、そのほか京都、大阪、愛知、兵庫、奈良、山梨、鳥取、広島などで発行された新聞があり、全部で17件でした。

 その後、様々な新聞・雑誌が第三種郵便物認可を受けましたが、どのようなものが認可されたのかについては、『中外郵便週報』や『東京日日新聞』に記載されています。この内、『中外郵便週報』には明治14年1月から同16年6月までに認可を受けた新聞・雑誌が、『東京日日新聞』には明治16年7月から翌年12月までに認可を受けたものが掲載されました。これらの記事に記載された横浜で発行されたものには、明治16年6月に『豊水門社月波集』(横浜野毛町3丁目星野東作)、9月に『攻玉集』があります。また、7月に掲載された『生糸製茶商況報告』も横浜で発行されたものだと思われます。

 これらの新聞・雑誌の原資料は、現在僅かしか残っていませんが、認可当時は全国に郵送されていたのかも知れません。

(上田由美)





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最終更新日2006年8月20日  Last updated on Aug 20, 2006.
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