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「開港のひろば」第112号
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企画展
開館30周年記念 Part1
たまくすの木が見た横浜の157年
−ペリー来航から開港資料館まで
関東大震災の猛火に焼かれる
1923年9月1日土曜日お昼の12時少し前に関東大震災が起こった。大きな揺れで建物が倒れ、大さん橋が崩れ落ち、街のあちらこちらで火事が発生し、貿易を中心に繁栄してきた街の姿は消え去ってしまった。横浜市内で2万を超える人びとが亡くなり、イギリス総領事館も倒壊し死者を出した。たまくすは猛火に焼かれながらも、生き残った。
震災をのりこえて
横浜市は全市をあげて復興に取り組んだ。イギリス総領事館も1931年に新しい建物を完成させた。工事に先立ち前年、たまくすは以前の場所より約10メートル海岸寄りの現在の場所に移植された。近くの海岸通りでは、震災のがれきで海岸が埋め立てられて山下公園が開園し、また公園の向かいには、横浜の政財界が資金を出し合ってホテルニューグランドが開業した。震災から6年後の1929年、復興事業終了を記念する祝賀会が横浜公園で開かれた。