『横浜貿易日報』
最後に今回の展示に出陳した、横浜のジャーナリズムの歴史を考える上で貴重な新聞である『横浜貿易日報』(写真(5))を紹介しよう。
写真(5)『横浜貿易日報』

『横浜貿易日報』は、横浜商法会議所の機関紙である。明治12年(1879)に『横浜毎日新聞』が東京に本社を移してから、明治23年(1890)に『横浜貿易新聞』が創刊されるまでの間、横浜で発行された新聞の記録は存在していたが、原紙は確認されていなかった。しかし、当館の調査で、『横浜貿易日報』の存在を確認することができた。
横浜商法会議所は、横浜商工会議所の前身で、集会所を設け、商業上の利益得失を研究して公益を増進する目的で、明治13年(1880)に設立された。
この新聞は、『明治17年神奈川県統計書』によれば、明治14年5月19日に創刊され、翌年11月11日に廃刊されたという。1年半しか刊行されていなかったようである。発行部数は、明治14年に49390部、15年は49978部。価格は、1号から10号までは1銭、11号からは2銭だった。
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