「日本の近代海図前史」
鈴木氏は、日本においては幕末期に近代海図作成がはじまるとし、その前史として、近世の海の地図の歴史から、幕府天文方による19世紀前半の測量術の発展、さらに幕末に創設された海軍伝習所(長崎)の役割へと言及された。とくに海軍伝習所、及び軍艦教授所(築地)の意義を、実習を含む技術習得、人脈の形成、海図という測量成果にあると分析し、幕末に作成された代表的な海図を示して、作成者らが伝習所あるいは教授所に関わった人びとであることを具体的に解き明かされた。
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