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「開港のひろば」第129号
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展示余話
1895年の山下居留地
The Japan Directoryの分析から
全体的な状況
表1は全記載804を、その用途および所在場所で集計したものである。用途としては、事業所、住居、倉庫、官公庁、団体、不明、空き地に分類し、所在場所は図1の通り、山下居留地をAからFに分けて考えてみた。
用途 | 記載数 | % | A地区 | B地区 | C地区 | D地区 | E地区 | F地区 |
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事業所 | 488 | 60.7 | 42 | 200 | 184 | 37 | 16 | 9 |
住居 | 209 | 26 | 21 | 79 | 46 | 24 | 27 | 12 |
倉庫 | 59 | 7.3 | 0 | 8 | 8 | 38 | 3 | 2 |
官公庁 | 17 | 2.1 | 1 | 4 | 2 | 2 | 0 | 8 |
団体 | 17 | 2.1 | 1 | 5 | 5 | 3 | 1 | 2 |
不明 | 10 | 1.3 | 0 | 1 | 8 | 0 | 0 | 1 |
空き地 | 4 | 0.5 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 |
合計 | 804 | 100 | 65 | 297 | 254 | 107 | 47 | 34 |
まず、全記載数804のうち、最多の488が事業所で、これは全体の60・7%をしめる。事業所とは、会社の事務所や店舗、ホテルなど、事業を営んでいると考えられるものである。住居については、事業所と兼用になっている場合も若干あるが、それらは事業所に分類した。住居の記載数は209で全体の26%、事業所と住居で全体の86・7%となる。倉庫の記載数は59で、内訳は一般倉庫が40、お茶場(お茶の再製場)が10、石炭置き場が8、木材置き場が1である。
官公庁17の内訳は、領事館関係が13と、加賀町警察署、居留地消防隊、横浜中央電話局、横浜市水道局である。
地区別特徴
A地区は山下居留地の一等地、港に面したプロムナードの海岸通り、B地区はメインストリートである本町通りを中心とした一帯で、C地区はいわゆる中華街である。事業所全体の半数近くの200がB地区にあり、C地区の184も加えると、この2つの地区で全体の8割近くとなる。
D地区は横浜公園と派大岡川と中華街地区に挟まれた一角で、倉庫の全記載数59のうち64%にあたる38がここに所在している。火保図でもこの地区には、倉庫やお茶場の印が多い。
E地区は堀川沿いの地番であるが、この地区の事業所16のうち、8が製造業で特に鉄工所が多い。F地区は日本大通り一帯であるが、官公庁の全記載数17のうち8がこの場所に所在する。