横浜開港資料館

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館報「開港のひろば」バックナンバー

「開港のひろば」第129号
2015(平成27)年7月18日発行

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「交流展開催にあたって」
横浜開港資料館長 上 山 和 雄

震災復興期の桜木町通り 絵葉書 当館所蔵
左側から荷車、牛車、自転車、市電、自動車、人力車、荷馬車、電車が確認できる。横浜の街を様々な乗り物が駆けていた。
震災復興期の桜木町通り 絵葉書 当館所蔵 左側から荷車、牛車、自転車、市電、自動車、人力車、荷馬車、  電車が確認できる。横浜の街を様々な乗り物が駆けていた。

横浜開港資料館を含む横浜市内歴史関連8施設を管理・運営している(公財)横浜市ふるさと歴史財団は、7月18日から9月23日にかけ、「ヨコハマ3万年の交流」と題する全施設連携展示を開催します。

当財団は横浜開港資料館、及び横浜市歴史博物館・横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館・埋蔵文化財センター・横浜市史資料室・横浜市三殿台考古館・横浜市八聖殿郷土資料館の8施設を管理・運営しています。財団は文化財の収集・調査など市の文化財行政の一翼を担うとともに、学校教育と連携して横浜を「ふるさと」とする児童・生徒たちに、横浜の歴史を学ぶ機会を提供しています。

博物館など公的展示施設のもう一つの大きな役割は、生涯学習の機会を提供することです。今私たちが暮らしている地域が、どのようにして現在の姿になったのかを知りたいという意識は、人間の本然的な欲求でしょう。私たちが暮らしている地域の来歴を踏まえてこそ、豊かなコミュニティ、街づくりは可能になります。

さらに、当館を含む関内地区の施設は、観光やビジネスで横浜を訪れる国内外の方々に「ヨコハマ」と開港以後の「日本」の近現代を発信する役割も持っています。

平成23年度に当館や歴史博物館など主な4施設を検討対象とした「横浜市文化財施設のあり方検討委員会」が組織され、各施設の存在と必要性をより知っていただき、さらに全施設が連携を深めることによって、市域の歴史、日本・世界の中での横浜の位置・役割を積極的に訴えていくよう「提言」をいただきました。このようなご指摘にこたえ、当財団では、多くの皆様にご来館いただくよういっそう努めるとともに、全施設が連携を深め、横浜を発信することに努めております。

今回の企画展は、各施設が連携する最大規模の企画です。「交流の場としてのヨコハマ」という視角から、原始古代から現代にいたる横浜3万年の歴史を再発見していきます。メイン会場となる横浜市歴史博物館では「横浜のあゆみ―ヒト・モノ・マチ」と題し、I人々が生きた大地、II陸の道を使って、III海の道が運んだもの、IV開かれた都市、の4章に分けて原始から明治初年までの歴史を取り上げます。ユーラシア文化館もメイン会場でユーラシアの中での日本を示します。三殿台考古館・八聖殿郷土資料館・市史資料室もそれぞれの施設の特色に応じた展示を行います。

開港資料館と都市発展記念館では、「ハマを駆ける―クルマが広げた人の交流」と題し、開港資料館は明治・大正期の馬車・人力車・自転車などを中心に、都市発展記念館は昭和期の自動車を中心に、クルマがもたらした社会の構造的変化にまで迫ります。「交流」手段の革新が私たちの地域と暮らしにどんな影響をもたらしたのか、さらなる革新が何をもたらすのかにも迫ります。

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