横浜開港資料館

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「開港のひろば」第129号
2015(平成27)年7月18日発行

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資料よもやま話
平山煙火製造所の絵入り花火カタログ

今年も花火の季節が巡ってきた。
昨年は『開港のひろば』124号・125号で花火関係の資料を紹介したが、今回は明治・大正期につくられた輸出向けの花火カタログをとりあげたい。

花火の輸出とカタログ

花火には様々な種類がある。打ち上げ花火、仕掛け花火、玩具花火、その他狼煙のような信号花火などである。さらに、打ち上げ花火には昼花火と夜花火がある。昼花火には、彩色した煙で空を彩る煙物、パラシュートに旗を吊り落下させる旗物、薄く丈夫な和紙で人形などをかたどった風船を落下させる袋物などがある。夜花火には、球状に開く割物、玉が割れて中に入れられた星などを放出するポカ物、割物とポカ物の中間の半割物がある。これらのうち、打ち上げ花火や仕掛け花火が輸出されていたようだ。

花火が輸出されるようになると、花火の形を説明し注文を受けるために図版を載せたカタログがつくられた。カタログには「売品ニ非ズ」と記載され、発注者に無料で配られたものである。

横浜開港資料館で収集した花火カタログは、小野哲男氏寄託資料(以下「小野氏寄託」と記載)、横浜市中央図書館所蔵資料の複製など、平山煙火製造所のものが11種類、そのほかが2種類である。ここでは、平山煙火製造所のものを見ていきたい。

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