横浜開港資料館

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館報「開港のひろば」バックナンバー

「開港のひろば」第114号
2011(平成23)年10月26日発行

表紙画像

展示余話
「横浜ノスタルジア」×「コクリコ坂から」連携プロジェクト
−アニメーションの発信力と歴史資料の底力−

(4)原画展等への協力と関連グッズ販売
 映画公開にあわせて「コクリコ坂から」の原画展が、池袋西武(7月23日〜28日)および横浜そごう(8月10日〜15日)などで開催されたが、時代背景の参考資料として広瀬写真数点を提供した。また会場での「横浜ノスタルジア展」のポスター掲示とリーフレット設置、写真集販売、と同時に当館ミュージアムショップでペン、メモ、バックチャームなどの「コクリコ坂から」関連グッズを販売し、相互協力体制をとった。さらに神宮前のKDDIデザイニングスタジオでの「コクリコ坂からとその世界展」(7月16日〜9月2日)やスタジオジブリ美術館での関連展示にも広瀬写真を提供した。

(5)広報連携
 上述の様々な企画それ自体が広報ともなっているが、さらに読売新聞社が映画の特別協力を行っていることから、読売新聞東京本社版(8月5日)の『読売カルチェラタン』でも「横浜ノスタルジア」展が写真入りで紹介された。さらに『Hanako』(9月22日号)の横浜特集でも広瀬写真を使った誌面が組まれ、展示が紹介された。横浜市のキャンペーンであるため、市報、季刊雑誌『横濱』、「OPEN YOKOHAMA 2011」のパンフレットなど、様々な市広報媒体で紹介された。

■ふりかえって

歴史が「今」に語りかけようとする時、社会への発信力・影響力のあるアニメーション映画と博物館施設とのコラボレーションは有効である。今回の連携の成果の一つは、広報媒体の多様化が図られたこと、それによって幅広い層に当館の存在と横浜の歴史の魅力を発信し、多くの方々が横浜に足を運ぶきっかけを提供できたことだろう。アニメーションの発信力と歴史資料の底力の相乗効果である。

「コクリコ坂から」のテーマは、「不易流行」、「変わることと変わらないこと」であり、物語の軸は古い洋館「カルチェラタン」の保存問題である。たとえば、「コクリコ坂から」の背景画展にひかれて来館した高校生が、広瀬写真展を見て、物語の世界を越えて横浜の歴史そのものに触れる。そうして歴史の中に立つ自分を感じてくれたら、この試みは成功したと言えるだろう。末尾となったが、今回のプロジェクトで一緒に汗を流した多くの方々に深謝する。

(伊藤泉美)

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