横浜開港資料館

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館報「開港のひろば」バックナンバー

「開港のひろば」第106号
2009(平成21)年10月28日発行

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展示余話
横浜開港資料館×中華街
横浜中華街文化フェアの試み

2か月間にわたって

7月29日、当館の記念展示「横浜中華街150年 落地生根の歳月」が始まった。その2週間後の8月12日、文化フェアのオープンニング・セレモニーとして、横浜中華街燈籠会点灯式が行われた。中華街各所に配された龍、獅子、宝船などのランタンに一斉に光が灯され、以後2か月にわたって、中華街の夜を照らした。これにあわせ、当館中庭のたまくすの下にも、親子象のランタンが登場した。

図1 当館中庭の親子象の燈籠
象は吉祥の動物であり、「万象更生」=あらゆることが生まれ変わる、良い運気がめぐってくる、という意味を持つ。
当館中庭の親子象の燈籠

また街中展示として、「横浜中華街佰五拾年物語」ポスターを作成した。これは開港から現在までの150年を10年ずつに分け、1850年代から2000年代まで、それぞれの時代の写真を配した15種類のポスターを作成したものである。中華街発展会の加盟店舗に希望する1枚を配布・掲示するとともに、中華街の画廊、爾麗美術で全15種類のポスター展示会が開かれた。

図2 横浜中華街佰五拾年物語ポスター 1920年代
横浜中華街佰五拾年物語ポスター

文化フェア最終日の10月12日には、記念シンポジウム「チャイナタウン温故知新歴史・文化・ビジネス」が行われる。石坂浩二横浜観光コンベンション・ビューロー理事長が開会の挨拶をされ、曹英生神戸南京町商店街振興組合理事長、陳天璽国立民族学博物館准教授、陳優継ながさき「食」夢市場運動推進委員会会長、林兼正横浜中華街発展会協同組合理事長、山下清海筑波大学教授、および横浜開港資料館主任調査研究員伊藤泉美が、各地のチャイナタウンの歴史と文化、現状の課題、将来の姿などについて意見をかわす。

「横浜中華街文化フェア」は、当館と横浜中華街発展会が共催で行うとともに、国立民族学博物館が特別共催、横浜観光コンベンション・ビューローがシンポジウムの共催という形で参画され、また横浜市経済局マザーポートエリア集客イベント支援の助成金、協賛企業、中華街関係機関の支援を受けて実施された。多方面の機関・関係者が智恵と力と資金を出して、横浜中華街の歴史と文化の振興・普及をはかったことは、開港150周年記念にふさわしい事業であった。携わった関係各位に感謝申し上げます。

(伊藤泉美)

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