横浜開港資料館

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館報「開港のひろば」バックナンバー

「開港のひろば」第105号
2009(平成21)年7月29日発行

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資料よもやま話1
昭和初期の二つの楽譜

「我が県の歌」神奈川県編

昭和6(1931)年2月に発行された楽譜には、「神奈川県々歌」(東京音楽学校教授船橋栄吉作曲)、「神奈川県行進歌」(鉄道唱歌の曲譜)、「相模小唄」(町田嘉章作曲)の3つが掲載されている。歌詞は懸賞募集されて、佐々木信綱・北原白秋・与謝野晶子らの審査で選ばれたものであるが、当選者名は記されていない。いずれにせよ、震災後に盛況となる「新民謡」制作の流れにのって、神奈川県が主体となって作られた歌である(「新民謡」については、平野「横浜ふるさと歌物語」『マイウェイ』69号・2008年刊、66〜67頁を参照)。

「我が県の歌」表紙 横浜開港資料館蔵
「我が県の歌」表紙

「神奈川県行進歌」から保土ヶ谷と鶴見を歌った第4曲・第5曲を以下に紹介しよう。

東洋一のゴルフ場/梅も桜も程ヶ谷に/歩みをかへて新国道/右や左を尋ね見ん

鉄槌の響の絶間なく/林と並ぶ煙突に/煙る鶴見も総持寺や/法の燈影さやか

程ヶ谷カントリー倶楽部や新国道、鶴見の工場地帯・総持寺が織り込まれている。元歌の「鉄道唱歌」は足早に過ぎてしまうが、「神奈川県行進歌」は県下全23曲中、横浜市域6曲が収められている。

(平野正裕)

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