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「開港のひろば」第147号
2020(令和2)年2月1日発行

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資料よもやま話
横浜貿易新報社と青年大会

(2)五郡青年団連合大会

蚕業共進会並びに五郡連合農産品評会の開催を契機に、1915年11月1日に、藤沢小学校で五郡青年団連合大会が開催された(図2)。25周年記念青年大会の成功と、内務・文部両省の訓令(「青年団体ノ指導発達ニ関スル件」9月15日)を受けたものであった。

図2 五郡青年団連合大会(『横浜貿易新報』11月1日付1面)
図2 五郡青年団連合大会(『横浜貿易新報』11月1日付1面)

参加団体は、農産品評会にあわせて高座・中・愛甲・鎌倉・久良岐の五郡とし、参加者は正式には代表者が参加すると同時に、一般会員も参加することに主眼をおいた(同紙10月28日付3面)。

大会は、祝辞や、横浜貿易新報社の提案を拍手で可決したのち、木村繁四郎(横浜第一中学校長)「御大典を如何に奉祝す可きや」、内ケ崎三郎(早稲田大学教授)「国民生活の根本問題」の講演が行なわれた。最後に有吉忠一県知事の祝辞があり、高座郡長による万歳三唱で幕を閉じた。その後、筑前琵等の余興となった。

大会には2千数百名が参加し、各郡ごとに72団体の参加団体名が紙面に掲載された(11月3日付3面)。

(3)三郡青年団連合大会

五郡青年団連合大会の効果が認められたため、二宮尊徳出身地(足柄上郡桜井村栢山)で実施された、没後60年記念祭(1916年10月21日より3日間)に際して21日に行なわれた。足柄上下並びに中郡の三郡が対象であった。会場は、善栄寺(二宮家菩提寺)内であり、青年大会というよりは、二宮尊徳の記念祭としての性格が強い。地域をあげての催事であった。大会は、桜井村青年会音楽隊の君が代で始まった。三宅社長の開会の辞、有吉県知事の告諭、内務省地方局長等の祝辞、青年会総代等の答辞と続き、大会決議の後、留岡幸助「青年と二宮先生」、新渡戸稲造「報徳」の講演が行なわれた。最後に、筑前琵琶等の余興があった(同紙10月21日付3面)。

「青年大会所感」(同紙10月24日付2面)は、大会を二宮尊徳の精神を根基とし、青年の精神的自覚、発奮を促すべき方針のもとに計画したことをあげている。その成功理由は、農村青年の時代要求にこたえるものだったとした。

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