横浜開港資料館

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館報「開港のひろば」バックナンバー

「開港のひろば」第132号
2016(平成28)年4月15日発行

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展示余話
あるドイツ人が残した写真帳から

横浜開港50年祭の賑わい

1909年7月1日の開港記念日を中心に、開港50年祭が全市を挙げて催された。市内各地でさまざまな催しが行われ、その様子を何枚もの写真に収めたザンドステーデは、横浜の近代史に触れることになった。

図4は増徳院から見た元町1丁目あたりの光景である。右手に古美術店マキノ(牧野源一郎経営)が見える。図5は代官坂の石川徳右衛門邸である。記念祭の記録『横浜開港五十年紀念帖』にはその様子が次のように記されている。

図4 元町1丁目
図4 元町1丁目
図5 石川徳右衛門邸
図5 石川徳右衛門邸

元町の通りは、1丁目から5丁目まで両側に源平捲の柱を建て、上に花傘数千本を配置して提灯がかけられた。新調した6400間の長さの紅白の幔幕が張られ、壮麗なものだった。また石川邸では、長屋門の正面入口の上段に杉の葉で扁額を飾り、その中央に市の徽章と和英両文のペリー提督の修交書を現した。そして門の両側に杉の葉で緑の門形をつくり、その下に紅白の幕を張った。ザンドステーデのメモには「横浜の役所 1853年、ペリーが招待された場所」とある。実際は1854年のことであった。

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