横浜開港資料館

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「開港のひろば」第110号
2010(平成22)年10月27日発行

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資料館ニュース
「横濱開港新聞」が日本新聞協会賞を受賞

「横濱開港新聞」の受賞を伝えた神奈川新聞9月2日号1面
「横濱開港新聞」の受賞を伝えた神奈川新聞9月2日号1面

横浜開港資料館が都市発展記念館と共同で執筆・監修し、神奈川新聞社から発行した「横濱開港新聞」が、2010(平成22)年9月1日、日本新聞協会賞(新聞社企画部門)を受賞した。日本新聞協会賞は毎年1回審査がおこなわれ、今年は広告主企画と新聞社企画あわせて411作品の応募があった。

日本新聞協会とは、1946(昭和21)年に、全国の新聞社・通信社・放送局が倫理の向上を目指して設立した社団法人である。現在、マスコミ倫理の向上という本来の活動のほか、新聞の発行部数や戸別配達率などの調査、マスコミ各社の交流を促進する活動などを展開している。協会賞はそうした活動の一環として実施し、今年で30回を迎えた。

横浜開港資料館に、神奈川新聞社取締役専務の千葉信行氏から「幕末や明治初年に現在の新聞があったら、ペリー来航や横浜開港がどのように報道されたのかを示せるような新聞を発行したい」と依頼があったのは、2006(平成18)年4月のことであった。その後、神奈川新聞社と何回かの打ち合わせがおこなわれ、同年6月2日、「横濱開港新聞」創刊プレ号「横浜開港、貿易始まる」号が刊行された。新聞は宅配の別刷りで家庭に届けられ、県内の小中学校からは「教材として使用したいので送って欲しい」との声が相次いだ。

ペリー来航を題材にした創刊号の発行は同年11月で、今年3月まで創刊プレ号を含めて全12号が発行された。同紙は創刊プレ号を除いて、いずれの号も10面以上のボリュームのあるもので、原稿作成にも時間がかかったが、日本の近代化に横浜が果たした役割を読みやすい新聞仕立で掘り起こした点が高く評価された。

我々の使命は、横浜の歴史に関する古記録を収集・整理し、それを次の世代に伝えることであるが、そうした古記録に登場する先人たちの活動を分かりやすい形で現在の人々に提供することも重要な使命の一つである。

「横濱開港新聞」はそうした地道な古記録の整理や研究の成果を執筆したものであるが、貴重な発表の機会を与えていただいた神奈川新聞社と読者の方々にお礼を申し上げたい。また、同紙の刊行をきっかけに、横浜の歴史に興味を持っていただける方が増えていただければ、これに優る喜びはない。(「横濱開港新聞」は全号DVDに収録し神奈川新聞社から出版され、当館窓口でも販売する。)

(西川武臣)

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