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資料よもやま話1
「たまくすプロジェクト」始動
たまくす二世を育てよう
たまくすプロジェクトでは、たまくすを未来に伝承するため、たまくすの実から芽を発芽させて二世を育て、市内各所に記念植樹を行います。
この活動は、現在横浜市で推進されている150万本植樹行動の一環としても実施されるもので、横浜の緑化を進める試みでもあります。
たまくす二世の育成は、市民から募集した育て親が担います。「開港の生き証人、たまくすの育て親になろう!」講座を開催し、たまくすの歴史や苗ポットの育成方法を学びます。そして、各自でたまくすの実を植えた苗ポットを持ち帰り、自宅で二世を育てていただきます。
育て親の皆様が丹精こめたたまくす二世は、開港150年の2009年秋に横浜市内の各所に記念植樹していく予定です。
また、このプロジェクトでは、NPO法人横浜シティガイド協会の協力を得、横浜開港資料館の旧館裏に苗床を設置し、苗木を育てます。
これからの2年間、苗木たちが元気に育っていくよう見守ってください。
図3 昭和30年(1955)頃の英国総領事館(現旧館)とたまくす(写真手前左寄り) 広瀬始親氏撮影寄贈 横浜開港資料館所蔵
親木の樹勢回復とたまくす基金
たまくすプロジェクトでは、二世の育成とともに、親木のたまくすそのものも一層大切にし、元気に生き続けられる手当をしていきます。例えば、土壌改良を行い、樹勢回復をはかります。
こうしたたまくすプロジェクトを推進する財源の一つとして、市民や企業の皆様から寄付金を募集し、「たまくす基金」を創設する計画です。
今後のたまくすプロジェクトの活動に、皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
(伊藤泉美)
(樹形変化を中心としたたまくすの考察については、岩野修「歴史の証人玉楠は三代目?」『開港のひろば』第73号をご覧ください。)