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館報「開港のひろば」バックナンバー


ランバート氏の個人アルバム

  E.N.ランバートは1905年2月に来日したイギリス人である。最初、横浜のコーンズ商会に勤め、1907年6月に同商会の神戸店に移った。1909年12月、5年近い日本生活に一時別れを告げてシベリア経由でイギリスに戻ったが、翌年夏には再び来日し、大阪のL.J.ヒーリング商会に勤めている。1915年までは同社にいたことがわかるが、その後離日したらしい。

  ランバート氏のアルバムは全部で11冊ある。時期は来日した1905年から1913年まで。そのうち2冊は一時日本を離れていたときのもので、おもにイギリス各地の写真。他の1冊は横浜や神戸の日本生活の写真だが、「おもに他の人が撮った写真」である。


写真7  ランバート氏のアルバムの1冊 表紙にカメラのイラストを描いている
写真7

「開港のひろば」第76号
2002(平成14)年4月24日発行

企画展
「100年前の旅行アルバム
−外国人が撮ったニッポン−」
企画展ハイライト
J.H氏の世界旅行アルバム
J.S.C-F夫妻の日本旅行アルバム
展示余話
最後の橘樹郡長・福本柳一
資料よもやま話
「国内最古のガス管」発掘ルポ
資料館だより


  ランバート氏は一時的な旅行者ではなく、日本に在住していたので、アルバムの写真も旅行写真ばかりではない。横浜に入港したさまざまな外国船、閲兵式、ダコタ号座礁事故、競馬、横浜・神戸のクラブ対抗フットボール、横浜や神戸の自宅の室内、お気に入りの避暑地であった牛伏(沼津近郊)や自宅のあった魚崎(神戸市)の海浜の光景など、さまざまである。

  しかし、この独身者らしいイギリス人は旅行も大好きだったとみえて、横浜や神戸から日本各地に足をのばし、写真を撮っている。富士登山や友人との自動車ツアーの写真もある。

  ランバート氏アルバムの特徴はなんといってもその抜群のイラストのセンスである。アルバムに写真を貼っただけでなく、コメントやイラストを添えて、アルバムを一段と魅力的なものにしている。なかには写真に自分で彩色し、あたかもカラー写真のように見えるものもある。

  【写真8】は1905年のクリスマスに京都に行ったときのものだが、右上の機関車の写真には「朝7時」とあり、それにあわせて描かれた中央のイラストは「朝6時」の寝台車の車中。旅行者はまだ眠っている。也阿弥ホテル到着後の写真の下には、「朝8時」の入浴のイラストが描かれ、右の写真には「朝9時、きれいになって、にっこり」と書かれている。写真を撮るだけでなく、アルバムづくりも楽しんだ様子がうかがえてほほえましい。


写真8  ランバート氏と友人の京都旅行
写真8


  今回の展示では、ランバート氏アルバムからは、横浜近郊・富士登山・京都・瀬戸内海などのほかに各地の風景を多数紹介している。

100年前の旅行者とともに、100年前のニッポンへタイムトリップ…。当時の観光地の風景、なぜか郷愁をさそわれる人びとや光景、意外な発見など、視覚の旅を堪能していただきたい。

(伊藤久子)





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最終更新日2006年8月20日  Last updated on Aug 20, 2006.
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