○娯楽とスポーツ

●劇場

1864年（元治元年）11月、リズレーの開いた102番のアンフィシアター（円形劇場）が最初。翌年ロイヤル・オリンピック劇場と改称する。次にできたのは225番の中国劇場、当初会芳楼（かいほうろう）、のち同志劇場（どうしげきじょう）、さらに和親劇場（わしんげきじょう）と称した。本町通り38番にゲーテ座が開場したのは1870年12月、1885年、山手に新築移転する。

1860年代末のアマチュア劇団
「黒い瞳のスーザン」の登場人物、『ジャパン・ガゼット50年史』より

●競馬

1860年（万延元年）9月1日、山手のふもと、現在の元町のあたりで開催されたのが最初。1862年（文久2年）５月1日・2日には、より本格的な競馬会が開かれた。その後会場は山手の練兵場などに移るが、1866年、根岸の丘の上に競馬場が完成、横浜レース・クラブに使用権が与えられた。『横浜市史稿』の文久元年創始説は誤り。

横浜名所之内　大日本横浜根岸万国人競馬興行ノ図
永林画　明治5(1972)年

●ボート・レース

1863年（文久3年）10月5日・6日に開催されたグランド・ヨコハマ・インターナショナル・レガッタが最初。最初は軍人が主体だった。明治4年頃から居留民による競技団体が組織され、最終的には横浜アマチュア・ローウィング・クラブに統合される。

●ヨット・レース

ヨット・レースは最初ボート・レースに付属して行われていたが、明治19年(1886年)10月、横浜セイリング・クラブが結成され、これ以降盛んになる。27年には横浜ヨット・クラブと改称、この年にはモスキート・ヨット・クラブもできた。

●海水浴

1865年（慶応元年）、Ｔ.Ｓ.スミスがフランス波止場の沖合に海水浴ボートを設置し、8月5日に水泳大会を開いた。これが横浜最初の海水浴場である。その後山下・本牧・根岸・磯子・富岡などに海水浴場が設けられていく。