横浜開港資料館

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「開港のひろば」第113号
2011(平成23)年7月27日発行

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展示余話
5度の危機を乗り越えた、たまくすの木

去る7月24日まで企画展示「開館30周年記念 Part 1 たまくすの木が見た横浜の157年−ペリー来航から開港資料館まで」を開催した。当館中庭に繁るたまくすの木の歴史を縦軸に、横軸として周辺地区を中心とする横浜の歴史を扱い、本誌前号では展示紹介もかねて、たまくすの歴史の概略を紹介した。

たまくすは近代に入って何回かの存続の「危機」を経験した。まず幕末1866年の大火(慶応の大火)と、1923年におこった関東大震災での被災はよく知られているが、新たに第3の「危機」とも言える、1932年におきた移植話を紹介した。

これは地元紙『横浜貿易新報』(現『神奈川新聞』)1932年1月13日号が報じたもので、在横浜アメリカ領事が、再建したアメリカ領事館敷地へたまくすを移植したいと横浜市に願い出るらしい、という内容であった。その後の顛末を記した記事を見つけることができず詳細は不明だが、たまくすがイギリス総領事館跡地である当館中庭に現在も立っていることから、この移植話は実現しなかったことがわかる。

今回は、さらなる二つの「危機」を紹介しよう。

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