横浜開港資料館

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「開港のひろば」第124号
2014(平成26)年4月19日発行

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特別資料コーナー
占領期の写真コレクション初公開

4月1日(火)から5月6日(火)まで当館旧館1階記念ホールで写真パネル展示「戦後70年プレ展示 アメリカ女性下士官が撮した占領下の横浜−メアリー・ルジェーリ・コレクション」を開催している(観覧無料)。

来年2015年に戦後70年という節目の年を迎えるにあたり、新しく収集(複写)した写真コレクション「メアリー・ルジェーリ・コレクション」を初公開する。

写真1 郵便ポストとメアリー・ルジェーリさん
写真1 郵便ポストとメアリー・ルジェーリさん

ルジェーリさんは終戦から約1年がすぎた1946年10月、米陸軍婦人部隊(WAC)の一員として来浜し、48年4月に任務をおえて帰国するまでの約1年半、中区内のカマボコ兵舎に暮らした。来日当時は25歳、独身(旧姓キディー)であった(写真1)。愛用のカメラを携えて横浜や旅行で訪れた国内各地で、初めて目にする日本人の生活や風景を撮影した。その数は4000コマ以上にものぼった。その膨大な写真のなかには写真2のようなカマボコ兵舎と、そこでの生活を撮影したものも多数あり、めずらしい。ルジェーリさんは2007年、これらの写真などをもとにアメリカで本を出版している。

写真2 ルジェーリさんが暮らしたのとは別のカマボコ兵舎(福富町)
写真2 ルジェーリさんが暮らしたのとは別のカマボコ兵舎(福富町)
写真1・2は「メアリー・ルジェーリ・コレクション」より。Photograph by Mary A. (Kiddie) Ruggieri. From the collection of Mary A. (Kiddie) Ruggieri. Copyright 1946-2012, all right reserved.

大西比呂志氏(フェリス女学院大学)が2011年、滞米時にご本人とアルバムに巡りあい、氏の仲介で当館での複写と公開をご快諾いただいた。今回のこのパネル展にあわせて、複写した写真コレクションを当館閲覧室で一般公開もはじめる。

ルジェーリさんは昨年10月、92歳で亡くなった。パネル展開催や一般公開の知らせが間に合わなかったのは残念だ。高齢のご本人に代わって実務対応をしてくださったご子息のリチャード・ルジェーリ(Richard Ruggieri)氏やご家族の方々、大西氏、その他ご協力いただいた方々に感謝を申し上げたい。

(中武香奈美)

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