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館報「開港のひろば」・その他連載 「開港のひろば」バックナンバー


展示余話
「100年前の横浜−『横浜案内』の世界−」展

『神奈川写真帖』の魅力

 「100年前の横浜―『横浜案内』の世界―」展では、今からちょうど100年前に刊行された横浜の案内記である『横浜案内 附横浜明細図入』初版(鈴木金輔編 1905(明治38)年 金真堂(鈴木金輔)刊)をもとに、当館が所蔵する絵葉書や古写真を用いて、東京近郊の行楽地横浜の姿を再現した。展示では約150点の資料を紹介したが、活用した資料の一つに『神奈川県写真帖』がある。横浜正金銀行と杉田照水梅については、同写真帖収録の写真からの複製で、また市立横浜商業学校・神奈川県立第一中学校については、同写真帖の学校の部分を展示した。

  『神奈川県写真帖』は、1913(大正2)年に神奈川県が刊行した写真帖である(当館請求番号 291.37-11)。3代目神奈川県庁の新庁舎竣工を祝して刊行された。

  現在、人々に「キング」の愛称で親しまれている神奈川県庁舎は、4代目の庁舎であり、3代目神奈川県庁舎が関東大震災で倒壊したため、1926(大正15)年の地鎮祭から約3年の月日をかけて建築した庁舎である。


2代目神奈川県庁舎 当館蔵古写真より

3代目神奈川県庁舎 『神奈川写真帖』(当館蔵)より

「開港のひろば」第88号
2005(平成17)年4月27日発行

表紙画像
企画展
神奈川お台場の歴史
企画展
神奈川台場保存運動の系譜
資料よもやま話1
渡辺修二郎の横浜資料(下)
資料よもやま話2
O. M. プールと息子リチャード
閲覧室から
新聞万華鏡(19)
明治初年の村と新聞
資料館だより

 3代目神奈川県庁舎は、ブリジェンス設計による2代目県庁舎が、明治末には老朽化し手狭になったため、1913年6月、4年の歳月を費やして完成した庁舎であった。総工費は、当初の予定をはるかに超える約78万9,000円を要したという。

  『神奈川県写真帖』には、ここで紹介する県庁舎の外観全景のほか、庁舎内の正庁や貴賓室、警察部や県会議場の写真が収録されている。そして横浜の市街を一望するパノラマ「横浜市の全景」以下、「芦ノ湖の景」まで、県内各地の名所旧跡や、「長浜消毒所」・「横浜水道沈澱池」など全51箇所が掲載されている。県庁舎は、大正2年6月に竣工したが、開庁式は同年10月11日午前10時から行なわれた。内務大臣原敬以下、招待客は1,000人を越えたという(『横浜貿易新報』大正2年10月12日)。そして当日の招待客に配布されたのが、本写真帖であった。

  残念ながら、当館所蔵の写真帖は、破損のため再製本され、表紙・裏表紙・序の部分が失われており、出版された当時の姿を残していない。しかし本写真帖に収録されているシャープな写真の数々は、大正初期の横浜を伝える貴重な資料である。

  なお、3代目神奈川県庁の新築落成記念行事として、本格的な地方博「勧業共進会」が開催された。大正2年10月1日から11月19日までの50日間、横浜市南区蒔田町で開催された勧業共進会には、62万人もの入場者があったという。

  勧業共進会開催のため、神奈川県と横浜市は勧業協会を横浜市役所内に開設したが、同協会は、案内記『神奈川県案内誌』と地図『横浜市案内』、会場の案内のためのパンフレット『勧業共進会案内』を、勧業共進会開催にあわせて刊行した。『神奈川県案内誌』は、神奈川県下の産業の状況を解説し、名所旧跡を紹介している。また『横浜市案内』は、1枚もので、表面が大正期最初の横浜市地図「最新横浜市全図」であり、市内の名所旧蹟の写真26枚が掲載されている。裏面には「横浜港輸出入品総価額国別表」など各種の表が収録されている。一方民間では、『横浜商業遊覧案内』(和田万之助著1913年 神奈川代弁会代理部刊)が、勧業共進会を当てこんで刊行されている。『神奈川県案内誌』・『横浜市案内』・『横浜商業遊覧案内』(上製本版・普及版とも)は、大正初期の横浜・神奈川について書かれた案内記・地図として展示でも紹介したが、3代目神奈川県庁舎の落成祝賀行事の一環として出版された出版物としてみると、また興味深い。

(石崎康子)





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最終更新日2006年8月20日  Last updated on Aug 20, 2006.
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