横浜開港資料館

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「開港のひろば」第123号
2014(平成26)年1月25日発行

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都発企画展
開港されなかった江戸
横浜都市発展記念館特別展・横浜開港資料館共催
「港をめぐる二都物語 江戸東京と横浜」より

横浜開港資料館がエレベーター改修工事で臨時休館する間、姉妹館である横浜都市発展記念館では開港資料館の共催を得て特別展「港をめぐる二都物語 江戸東京と横浜」を開催する。

東京(江戸)が港を築き外国に開港するか否か、ということは横浜に大きな影響をつねに及ぼしてきた。今回の展示ではこのような視点より幕末の横浜開港から昭和の東京開港まで、ふたつの都市の港をめぐる動きをたどっている。

安政4(1857)年、アメリカの総領事ハリスは修好通商条約締結のため幕府と江戸で外交交渉をおこなった。この日米交渉で横浜(神奈川)の開港が取り決められたことはよく知られているが、ハリスは当初江戸の開港を幕府に求めている。しかし、結果として江戸は開港されず、1862年に予定されていた開市も1869年まで実施されなかった。それどころか、東京が開港されるのは昭和16(1941)年と横浜開港(1859年)から82年も後にずれ込み、その間一寒村だった横浜は国際貿易港として急成長を遂げる。

このような歴史的経緯をふまえると、なぜ幕末期に江戸は開港されなかったのか、という問いは、横浜の都市発展を考えるうえでも無意味なものではないだろう。ここでは、特別展の第一章「江戸と横浜」の出展資料の紹介を兼ねながら、この問題を考える糸口を探ってみたい。

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