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閲覧室でご覧になれる資料「歴史的公文書」

【概要】

 横浜は関東大震災や第二次世界大戦、戦後占領、度重なる区役所や市庁舎の移転などにより、市の公文書のほとんどが失われた。横浜開港資料館では『横浜市統計書』『横浜市報』などの刊行物(行政資料)をのぞいて、横浜市の公文書は所蔵していない。この資料的空白を補う意味でも、他機関で収蔵している政府・神奈川県の歴史的公文書のうち、主に大正期までの横浜に関する資料を、マイクロフィルムで撮影・収集し、複製本で閲覧に供している。原則として電子式複写が可能である。

(1)公文録

【解説】内閣制度成立以前の政府公文原簿で、太政官が授受した各省院使府県の稟請、上申進達などを収録し、各官庁別に分け、編年に編輯したもの。当館では2A-9-1〜1356の部分のみ収集している。
【原蔵者】国立公文書館
【総数】1,448冊(複製本冊数)
【年代】1868(明治元)年〜1874年(明治7)年
【閲覧】複製本
【検索】国立公文書館編・刊『公文録目録』第1〜7巻(1979〜1983年)

(2)太政類典

【解説】明治初期の太政官が、下達・上申の重要公文書原本を各庁別に編綴したもの(『公文録』)を、行政運用の実務上の観点から、関係資料を収集・筆写して事項別に分類・編綴したもの。第一編から第五編まで約830冊、さらに鹿児島征討始末、台湾・佐賀征討、熊本・秋月・萩暴動始末、外編とがある。当館ではすべてマイクロフィルムで収集し、複製本で閲覧に供している。
【原蔵者】国立公文書館
【総数】1,274冊(複製本冊数)
【年代】1867(慶応3)年〜1881(明治14)年
【閲覧】複製本
【検索】国立公文書館編・刊『太政類典目録』上・中・下巻(1974〜1977年)

(3)外務省記録

【解説】「外務省記録」は外務省外交史料館が所蔵する、明治初年から昭和戦前期にいたる、外交関係文書記録である。当館では「外務省記録」のうち、横浜の歴史に関係する明治・大正期の文書について、マイクロ・フィルムで収集している。また、1995年度より順次「外務省記録」の複製本を作成し、外務省外交史料館の許可を得て、閲覧に供している。
 当館が「外務省記録」を収集する理由の第一は、幕末の和親条約・通商条約の締結、開港場の建設以来、横浜の歴史は近代日本の外交史に密接に結びついたものであるため、横浜の歴史を検討するには、国政レベルの外交文書が不可欠であることによる。第二は、横浜では関東大震災と第二次世界大戦の戦災により、神奈川県庁および横浜市役所の文書を焼失しており、国際貿易港であり、外国人居留地を抱えた都市であったにも関わらず、地元行政機関の対外関係文書が残されていない。そのため、「外務省記録」中におさめられている神奈川県や横浜市役所の文書によって、その資料的空白を埋めるためである。
 「外務省記録」は外務省独自の分類により、1門:政治、2門:条約、3門:通商、4門:司法及警察、5門:軍事、6門:人事、7門:文書及図書、8門:会計に大別される。当館が収集してきた「外務省記録」は、九割近くが3門:通商に属するものである。さらに3門:通商の中では、2類:貿易、3類:商業、5類:産業、6類:交通及通信、9類:外国人移動、12類:土地及建物に分類されるものが多い。これは対外貿易港としての横浜の国際貿易に関する動向、外国人居留地に関する問題、また横浜に開設された各国の領事館に関する文書を中心に収集していることによる。
【原蔵者】外務省外交史料館
【総数】約1,500冊(複製本冊数)
【年代】幕末から昭和戦前期(主として1920年代まで)
【閲覧】複製本
【検索】閲覧室設置の外務省外交史料館編・刊『外交史料館所蔵外務省記録総目録〔戦前期〕第1巻明治・大正篇』(1992年)で検索。この目録には当館で閲覧できるものについて、当館作成複製本の請求番号を付してある。また、伊藤泉美「横浜開港資料館における『外務省記録』複製本の閲覧公開について(1)」(『紀要』19)も参照されたい。


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