横浜開港資料館

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閲覧室でご覧になれる資料〈7〉個人コレクション「稲生典太郎文庫」

【旧蔵者】稲生典太郎(1915〜2003)
【概要】稲生典太郎文庫は、アジア考古学近代日本外交史の研究者である稲生典太郎氏がその半生をかけて収集した近代日本外交史文献のコレクションである。その中心は、幕末の和親条約・通商条約から条約改正にいたるまでの条約改正関係の文献、昭和戦前期までを中心とする外交・政治に関わる文献であるが、当時の社会・風俗・思想・文化を伝える様々な資料、暦、双六、ポンチ 絵、番付、地図など多岐にわたる資料が含まれている。
 稲生典太郎文庫の特徴は、明治年間を通じて国家的課題であった、不平等条約改正・内地雑居関係資料の一大コレクションという点である。稲生典太郎氏は明治時代の文献を逍遥される中で、「条約改正・内地雑居問題こそ、明治時代の社会史・思想史・政治史・外交史ないしは経済史の結節点であろうと探り当てて、民間出版物を中心とする関係資料に注目」(稲生著『条約改正論の歴史的展開』序文)し、文献を収集した。また、条約改正に携わった人々に関わる文献も集められ、その代表なものが陸奥宗光の『蹇蹇録』である。稲生文庫には12種類13冊の『蹇蹇録』がおさめられている。このほか、久世通章関係文書、島田滋文関係文書、小牧昌業関係文書など、いくつかの個人文書もふくまれる。
 稲生文庫の大半は日本語文献であるが、欧文および中国語の文献も含まれる。また本文庫には、明治・大正期に出された東アジア地域の地図を中心に、日本と世界の地図約300点もおさめる。
【総数】約10,000点
【年代】1830年代〜1980年代
【閲覧】原資料
【複写】和図書、一般洋書に準じる。文書は別途撮影申請が必要。
【検索】稲生文庫のうち、和図書・文書類・地図7133件については、当館編・刊『稲生典太郎文庫目録 第1集 −和図書・史料・地図』(2006年)。

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