横浜開港資料館

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閲覧室でご覧になれる資料〈7〉個人コレクション「ブルーム・コレクション」

【旧蔵者】ポール・C・ブルームPaul.C.Blum(1898-1981)。横浜山手居留地の生まれ。少年時代を横浜で過ごした後、フランス・アメリカなどで教育を受けた。エール大学卒。第二次大戦中アメリカの戦略事務局(OSS)に入り、スイスで対独情報作戦や日本の終戦工作に従事。戦後は米大使館のアタッシェの肩書きで来日した。1958年以降は民間人として東京に在住。日本関係洋書や浮世絵の蒐集家としてもつとに知られていた。1978年、帰国に際して、当時設立準備中だった横浜開港資料館の趣旨に賛同して愛蔵のコレクションを譲渡・寄贈。帰国後および没後も遺言によって追加の寄贈があった。
【解説】1981年創設。コレクションの中心は16世紀以来欧米人が著した日本関係の洋書約5,200冊。そのほかに洋学関係や横浜関係の和書約700冊、横浜浮世絵・瓦版・欧州版古地図など約500点が含まれる。そのほか日本学者B.H.チェンバレン関係資料(書簡類・校正刷りなど)もある。
 日本関係洋書は、イエズス会宣教師報告書を始めとして江戸時代のオランダ商館関係者の見聞記、幕末から明治大正時代にかけての欧米人の旅行記・見聞記・滞在記、欧米人による日本研究書・辞書・語学書・旅行案内書など。ジョルジュ・ビゴーの作品、『日本アジア協会紀要』などの逐次刊行物も揃っている。言語的には英語が4,000点、フランス語800点のほかドイツ・オランダ・ポルトガル・イタリア・ラテン・スペイン・スウェーデン語など多岐にわたる。稀観本が揃った粒よりのコレクションであり、日本関係洋書のコレクションとしては国内屈指のものといえよう。
 地図は、幕末明治期の横浜や開港場の絵地図などのほか、クリペ作成の実測図「横浜絵図面」(1865)、ホーズ編「横浜周辺外国人遊歩区域図」(1867)、ブラントン編「日本地図」(1876)など貴重な地図がある。これとは別に、日本・アジアの欧州版古地図135点はブルーム氏が最後に情熱を傾けて収集していたもので、当館への最後の寄贈品となった。
 日本関係洋書や欧州版古地図が「外国人の見た日本」をテーマとしたものとすれば、和図書や浮世絵などは、それとは逆に「日本人の見た外国」への興味を反映したものといえる。和図書には『珍事五ヶ国横浜はなし』といった横浜ものや、『飛良賀奈英米通語』や岸田吟香撰『異人言葉』などの語学書がある。浮世絵は五雲亭貞秀だけにしぼって収集した良質のコレクションであり、ほかに貞秀の作品として「御開港横浜之全図」や『横浜開港見聞誌』(B.H.チェンバレン旧蔵)などもある。
【総数】6,400点
【年代】16世紀から1970年代
【閲覧】
(1)図書は原資料(複製本を作成したものは原則として複製本)。
(2)欧州版日本古地図は原則として複製本「ブルーム・コレクション洋地図」(開架)。
(3)横浜浮世絵・瓦版・地図については「V 画像資料」の項を参照。
(4)チェンバレン関係資料は原則として複製本。
【複写】一般洋書に準じる。複製本は電子式複写が可能。
【検索】
(1)図書については当館編・刊『ブルーム・コレクション書籍目録』全4巻(1982〜1987年)、言語別、著者標目による目録で、第4巻に書名索引あり。
(2)欧州版日本古地図については、「ブルーム・コレクション洋地図目録」。(『横浜開港資料館資料総覧』p207参照)
(3)横浜浮世絵・瓦版・地図については「V 画像資料」の項を参照。
(4)チェンバレン関係資料は、「Iー5海外資料(63)ブルーム・コレクションB.H.チェンバレン関係資料」(『横浜開港資料館資料総覧』p110)を参照。」、
【備考】『ブルーム・コレクション書籍目録』第1巻所収の解説およびドナルド・キーン、ジョージ・ケア、徳岡孝夫、成松孝安の4氏によるブルーム氏追想記。当館「ブルーム・コレクション−西洋人のみた日本」展情報ファイル(1982年)。伊藤久子「ブルーム・コレクション」(横浜市中央図書館編『横浜の本と文化』、1994年)。英文の伝記Robert S. Greene,Blum-san!:Scholar,Soldier,Gentleman,Spy:The Many Lives of Paul Blum (1998年刊)、およびその紹介である伊藤久子「ポール・ブルームのいくつもの人生」(『ひろば』63)。

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